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くも膜下出血後の生活において気をつけたい9つのポイントについて

くも膜下出血後の生活についてお悩みの方に向けて、注意点や後遺症の種類について解説する記事です。

くも膜下出血から回復したとしても、その後の生活に困る方は少なくありません。
どのように生活をしていけば良いのか、どのような点に注意すればよいか、再発を防ぐにはどうすれば良いのかと悩む方も少なくありません。

そこで今回の記事では、くも膜下出血後の生活について解説します。

後遺症の種類から日常生活での注意点までご紹介しますので、参考にしていただければ理想的な生活スタイルをご理解いただけるはずです。

くも膜下出血の後遺症

くも膜下出血後の生活についてまず知っておきたいのが、後遺症についてです。

発症後は次のような後遺症が引き起こされる可能性があり、生活をするうえで症状を考慮しなければならなくなることが多いでしょう。

後遺症1:認知障害

脳に損傷が与えられることで、認知障害が起きるケースは多く見られます。
たとえば記憶力や集中力、注意力、判断力が失われるなどです。

仕事においてはもちろん、日常生活でうまくできないことが増えたり、事故などのリスクが高まったりすることがあります。

認知障害はくも膜下出血によって引き起こされる、高次脳機能障害の症状のひとつです。

関連記事:【医師監修】認知症の症状は急激に悪化する?重症度や疾患別に症状を解説

後遺症2:言語障害

言語障害も引き起こされるリスクの高い後遺症のひとつです。

言葉がなかなか出てこなかったり、文字を書くのが難しくなったり、会話が理解しにくくなったりする症状が現れます。

脳の損傷により言語を司る脳へのダメージが与えられ、高次脳機能障害の症状が引き起こされます。

後遺症3:運動障害

運動障害とは、手足がマヒしたり感覚が鈍くなったりする後遺症のことです。
多くの場合は身体の片方の手足のみに症状が見られます。

運動機能を司る脳の部分が損傷することによって起こる後遺症です。
四肢すべてにマヒが現れることもあり、重度の場合、リハビリを行っても介助が必要な状態が続くことがあります。

関連記事:脳梗塞によって発症する「感覚障害」とは?詳しい症状と治療法を解説

後遺症4:感情障害

抑うつ状態になりやすくなるのが感情障害です。
脳には大脳辺縁系と呼ばれる、感情を司る部分があります。

大脳辺縁系が損傷すると感情が失われたり、喜怒哀楽が極端になったりすることがあります。
気分が落ち込んだり、不安を感じやすくなったり、怒りっぽくなったりと、性格が変わってしまったように見えることも少なくありません。

実際にうつ病や不安障害を併発することもあり、精神的な障害に悩むこともあるでしょう。

後遺症5:睡眠障害

くも膜下出血後の生活では、睡眠障害もよく見られる後遺症のひとつです。

発症後の生活において「回復している」と思いにくい方に頻発する後遺症で、身体機能などの低下による不安感が原因だと考えられています。

不眠症や過眠症になることにより、日常生活に悩みを抱えることになるかもしれません。

後遺症6:慢性的な頭痛

発症して退院後も慢性的な頭痛に悩まされるケースがあります。
くも膜下出血をはじめとする脳卒中では、発作の際に強い頭痛が起こるものです。

しかし治療を受けて退院したとしても、慢性的な頭痛を感じる方は少なくありません。

関連記事:脳卒中の後遺症で再生医療が適応される4つのケースとリスクについて

後遺症7:疲労感

次に、後遺症として現れる疲労感について説明します。
くも膜下出血後の生活で長く続くことは少なく、回復期によく見られる後遺症であると言えます。

身体が疲れていて動きにくいと感じることもあるでしょう。
身体面はもちろん、精神面でも疲れやすいと感じられることがあります。

関連記事:くも膜下出血で見られる後遺症と合併症とは?治療のための基礎知識

参照:くも膜下出血により意識障害、四肢麻痺を呈した症例に対して、している ADL への反映を目指した一症例

参照:JSTAGE:(PDF)回復期脳卒中患者における睡眠障害と主観的回復感との関連

参照:日本学術会議:3.脳はこうして記憶する2

参照:ガイドブック・マニュアル | 国立障害者リハビリテーションセンター

くも膜下出血の予後

くも膜下出血の予後は、症状の重さにより大きく異なります。
軽症の方であれば会話がしづらくなる、手足の動かしにくさが残る場合があります。

しかし重症の方だとそのまま意識が戻らないこともあります。

無事に回復された方であったとしても、何かしらの後遺症が残る可能性は高いと考えられます。
くも膜下出血の予後は、決して良いとは言えないでしょう。

参照:大阪医療センター:くも膜下出血(脳神経外科)

関連記事:くも膜下出血後の再生医療は有効?後遺症に対する適応について

くも膜下出血後の生活で気を付けたいポイント

それではくも膜下出血後の生活について、注意したいポイントについて解説していきます。
最も重要なことは、再発を防ぐことです。

ご自身の身体を守って再発を防ぐには、次のようなことに気をつけてください。

ポイント1:定期的に血圧測定を行う

まずは定期的な血圧測定を行いましょう。
高血圧はくも膜下出血再発の危険因子となります。

再発のリスクを少しでも減らすには、血圧測定を定期的に行い、ご自身の身体をコントロールしなければなりません。

ポイント2:規則正しい生活を送る

規則正しい生活を送ることも重要なポイントのひとつです。
生活習慣によりリスクが高まることが多いため、健康に良い生活を送ることは欠かせません。

睡眠をしっかりととって、適度な運動と栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

ポイント3:過度な飲酒・喫煙を控える

過度な飲酒や喫煙を控えることは、くも膜下出血後の生活における基本です。
飲酒も喫煙もくも膜下出血再発のリスクを高めます。

まずタバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる作用を持つ物質です。
さらに脳への血流を減少させるため、脳の活動を低下させ、後遺症があった場合の回復を遅らせる可能性があるでしょう。

アルコールも同じく脳に影響があり、脳機能の低下や脳の萎縮を引き起こす作用を持ちます。

いずれも脳出血の引き金になるものであるため、くも膜下出血後の生活では禁酒・禁煙が望ましいと言えます。

参照:文部科学省:(PDF)第3章 喫煙、飲酒と健康 タバコの煙には様々な有害物質が含まれています!

関連記事:【医師監修】隠れ脳梗塞とは?血管性認知症のリスクや予防法を解説

ポイント4:栄養バランスの良い食生活を心がける

栄養バランスの良い食事は、脳血管を健康に維持するために重要なポイントとなります。

まずは高血圧を防ぐために、塩分を控えるようにしましょう。
塩分を控えた食事をすることにより、再発を未然に防ぎやすくなります。

そしてタンパク質を多く含む、バランスの良い食事を取ることが身体回復のための基本です。

くも膜下出血後の生活では、低栄養だとサルコペニアになってしまう可能性が高まるためしっかりと栄養をとるようにしてください。

参照:JSTAGE:(PDF)脳卒中の栄養療法

関連記事:【医師監修】脳梗塞の効果的な予防法|再発の確率は?食べ物や水分補給の重要性を解説

ポイント5:軽い運動を行う

定期的に軽い運動を行うことも心がけるべきポイントです。
軽い運動はほどよく血流を促し、さらに身体機能を回復させる効果や、精神面の不調を改善する効果も期待できます。

ウォーキングやストレッチなどで構いません。
また入浴や食事などの日常動作を可能な範囲で自力で行うことも、運動機能維持に有効とされます。

参照:働く世代のあなたに脳卒中の治療と仕事の両立お役立ちノート

ポイント6:転倒を防ぐ

くも膜下出血後の生活では、転倒を防ぐことを優先してください。
もし転倒して頭を打ってしまうと、くも膜下出血再発につながるかもしれません。

くも膜下出血を発症した後は、手足にマヒがあるなど、身体能力が低下していることも多いでしょう。

転倒を防げるように滑り止めがついた靴を履き、家の中に手すりを設置したりなど、つまずきにくいような工夫を施してください。

ポイント7:ストレスを解消する

続いての注意点はストレス解消についてです。
ストレスの多い状態が続くと、血圧が高くなりやすくなります。

高血圧はくも膜下出血再発の要因となるため、効果的なストレス解消法を見つけましょう。

音楽を聞く運動や趣味を楽しむなど、ご自身なりのストレス解消法を試みることが重要となります。

参照:JSTAGE:(PDF)高血圧とストレス

ポイント8:処方薬を指示通りに服用する

くも膜下出血後の生活の基本となるのが、処方薬を指示通りに服用することです。
処方薬には血圧を下げたり、血糖値をコントロールしたりするものが含まれていることでしょう。

どの処方薬もくも膜下出血再発防止に役立つものであるため、毎日欠かさず、指示通りに服用してください。

ポイント9:変化があった場合は主治医に相談する

最後に、身体に異変を感じた場合は、速やかに主治医へ相談することが重要とされています。

たとえば頭痛が続いたり、血圧が安定しなかったり、めまいや吐き気を感じたりなど。
何らかの違和感があった場合には、主治医に相談して診察を受けるようにしましょう。

関連記事:くも膜下出血後の再生医療は有効?後遺症に対する適応について

くも膜下出血後の生活はポイントを押さえて再発予防を

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、くも膜下出血後の生活についてご理解いただけたと思います。

くも膜下出血を発症した後は、ご紹介した9つの注意点を守りながら生活をすることにより再発リスクを抑えられるはずです。

ひとのわメディカルではリハビリテーションと再生医療を組み合わせた治療にて、くも膜下出血後の生活のサポートと再発予防にも取り組んでいます。

もし後遺症によって生活にお悩みでしたらお気軽にご相談ください。

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瀨田 康弘

ひとのわメディカル 院長|再生医療認定医

神経疾患・難病への再生医療アプローチを専門とする。ALS特定臨床研究(jRCT031230731)の主研究者。