
脳梗塞を発症すると、感覚や運動機能の低下に加えて「しびれ」の症状も出現することがあります。
しびれとは、じーんとする感覚やチクチクとした痛みを感じる現象です。
神経がダメージを受けたときに多くみられますが、脳で信号の処理が正常に行われていないときにもしびれを知覚することがあります。
脳梗塞は発症直後だけではなく、後遺症にも注意が必要な病気です。
この記事では、脳梗塞の後遺症として発生するしびれについて、種類や改善に役立つ方法を紹介します。
脳梗塞の後遺症でみられるしびれとは

脳梗塞に罹患すると、脳の組織が何らかの損傷を受けます。
損傷の部位や程度には個人差がありますが、損傷した部分が回復しなければ症状が残存し、「後遺症」となる仕組みです。
主な後遺症には運動障害や感覚障害が挙げられ、しびれは感覚障害のひとつです。
脳梗塞に罹患し、運動機能や感覚機能が障害されると、運動麻痺または感覚麻痺が出現します。
しびれは皮膚の感覚低下、またはピリピリ・じーんとするような感覚をともなう症状です。
人間がもつさまざまな感覚は脊髄を通じて脳に信号が伝達し、脳で信号を処理して初めて自覚できますが、このルートのどこかに障害が発生すると、しびれの症状が現れます。
神経が障害されるしびれには、脳のような中枢神経が障害された場合と、末梢神経が障害された場合に分けられます。
原因は脳梗塞だけに限らず、外傷によっても発生しうるため、脳梗塞の後遺症によるしびれかどうかは専門医による診断が必要です。
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脳梗塞の後遺症でみられるしびれの種類

脳梗塞後にみられるしびれや感覚障害は、主に以下のように分類されます。
- 感覚低下(感覚鈍麻・脱失):感覚が鈍くなる、または感じなくなる
- 感覚過敏:触れただけで痛いなど、刺激に過剰に反応する
- 錯感覚(さくかんかく):触った感覚が実際と違うように感じる
- 異常感覚(しびれ・チクチクなど):本来刺激がないのに異常な感覚がある
それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
感覚低下
感覚低下とは、脳の感覚をつかさどる部分や神経回路が損傷したときに発生する症状です。
しびれの程度・感じ方には個人差がありますが、全身または身体の一部で感覚が鈍化または消失します。
「触っている」「動かしている」といった感覚が知覚しにくくなると、身体をうまくコントロールできない場合があります。
感覚が通常よりも鈍くなると「感覚鈍麻」と呼ばれ、感覚がまったくなくなると「感覚脱失」となります(具体的な症状は、専門医による診断が必要です)。
感覚過敏
感覚過敏とは、脳梗塞によって感覚をつかさどる部分が損傷し、本来よりも感覚を強く・鋭く感じる状態のことです。
一例として触覚・痛覚・温度覚のいずれかにおける感覚過敏が挙げられ、布団が身体に触れるだけで痛みを感じる(触覚過敏)何も触っていないが痛みがある(異常感覚)がみられます。
痛みを与えていないにもかかわらず、触れるだけで痛みを感じるため、「強く触らないでほしい」と訴えるなど、患者さん自身が不快や苦痛を訴えることも感覚過敏の症状といえるでしょう。
錯感覚
錯感覚(さくかんかく)は、触った刺激が実際と違って感じられる(冷たくて熱いなど)脳梗塞の後遺症の一種です。
外から与えられた刺激に対して、通常とは異なる感覚が生じることを指し、必ずしも痛みを感じるものではありません。
たとえば、特定の部位だけがビニールで覆われているような感覚に陥ったり、軽く手で触れただけで「針で軽く突かれているような刺激」を知覚したりします。
冷たい刺激に対して灼熱感を感じるようなケースも、錯感覚の一種と考えられます。
異常感覚
異常感覚は、脳梗塞の後遺症としてみられる、しびれ、チクチク、虫が這う感じなどの総称です。
異常感覚とは、皮膚や体の一部に刺激がないにもかかわらず、「しびれ」「チクチク」「虫が這う感じ」などの感覚が持続的または断続的に出現する状態です。
これは脳梗塞によって感覚神経系が損傷し、脳が正しく感覚を処理できなくなることで発生します。症状は日常生活動作(ADL)や睡眠にも支障をきたすことがあり、慢性化することもあります。
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脳梗塞の後遺症でみられるしびれは改善できる?

脳梗塞の後遺症としてしびれが出現したときは、患者さんの症状や年齢・運動機能に合わせた方法で回復を目指します。
ここからは、薬物療法・リハビリ療法・温熱療法・機能的電気刺激・再生医療について詳しくみていきましょう。
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薬物療法
薬物療法は、脳梗塞の症状を軽減・緩和する目的で行われる治療です。
ビタミン剤のように一般的な栄養補助剤から血流改善薬まで、目的や症状に応じて投与します。
一剤だけで効果がみられなければ、複数の薬剤を使って改善を目指すのが一般的です。
また、しびれに対しては薬物療法だけではなく、リハビリや電気刺激などの方法を組み合わせるケースがみられます。
リハビリ療法
しびれに対しては、神経の機能回復のためにリハビリテーションも行われます。
リハビリは筋肉の柔軟性を獲得し、血液の循環や筋肉の収縮を促すため、本来の身体の動きや感覚を取り戻すために有効です。
患者さんの状態に合わせてメニューや強度が決められ、無理のない動きから始めて、回復の程度をみながらリハビリを続けます。
脳梗塞によって障害される部位はさまざまで、リハビリテーションの専門家である理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が連携し、患者さんの機能回復に努めます。
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温熱療法
温熱療法は筋肉の緊張を和らげる物理療法の一種です。
熱を使って身体の内部にはたらきかける方法で、リハビリテーションと異なるアプローチ方法として行われる場合があります。
手足の冷たさや外気の寒さからしびれが悪化しないように、温浴やホットパック、蒸しタオルといった温かさを感じるアイテムを取り入れ、患部の緊張を取り除く方法です。
血行不良の改善に加えて、痛みを軽減する目的があります。
機能的電気刺激
機能的電気刺激は、「電気刺激療法」とも呼ばれ、末梢神経などに刺激を与えて筋肉の動作を支援する方法です。
運動麻痺や運動機能の障害によるしびれに対し、電気を流して筋肉を収縮させ、機能の回復を促すものです。
治療的電気刺激のように、機能向上を目指す目的とした電気刺激療法も行われていますが、機能的電気刺激は中枢神経系が障害された方に機能的活動をサポートするために行われます。
電気刺激だけで症状が改善するものではないため、患者さん自身で行うリハビリテーションや軽い運動と組み合わせて回復を図ります。
再生医療
脳梗塞の再生医療は、梗塞によって損傷した組織を修復させて、機能回復を目指す新しい治療法です。
患者さん自身の細胞(自己細胞)または他者に由来する細胞(他家細胞)を採取・培養し、その抽出成分のみを点滴や注射によって体内に戻して、回復や神経修復を促します(幹細胞培養上清液)。
従来の治療法にはない新しい試みのため、劇的な回復や完治を保証するものではありませんが、すでに大学病院や医師主導による治療が進められています。
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脳梗塞後のしびれの改善は専門医へ

今回は、脳梗塞の後遺症として発生するしびれの概要や種類、改善に役立てられている方法を紹介しました。
脳梗塞は血管の詰まりによって発生する病気で、組織が損傷すると身体の機能低下や麻痺といった症状が現れます。
薬物療法・リハビリ療法のほかにも電気刺激や温熱療法、近年注目されている再生医療を組み合わせることで、症状の改善を目指すことができます。
ひとのわメディカルは、損傷した細胞の修復を促す再生医療と、機能回復のための神経リハビリテーションを組み合わせた治療を提供するクリニックです。
2つの治療法による機能改善を目指して、一人ひとりの方に合うプランを提案しています。
脳梗塞によるしびれの症状がある方、改善を目指している方は、ぜひ当院へご相談ください。