
脳卒中後の後遺症やALSなどの神経系疾患にお悩みの方に向けて、くも膜下出血後の再生医療について解説いたします。
くも膜下出血では程度の差はあれ、後遺症が残る可能性が高いとされています。
日常生活でできないことが多い、手足が動きにくい、会話がしにくい…と悩んでいる方もいらっしゃるはずです。
再生医療が効果的と聞いても、本当に効果があるのか不安で治療をためらう方も少なくありません。
そこで今回の記事では、くも膜下出血後の再生医療について解説いたします。
参考にしていただければ治療を受けるべきか、受けたときにどのような作用が期待できるかご理解いただけるはずです
くも膜下出血とは?

くも膜下出血とは、脳の血管にできた「脳動脈瘤」と呼ばれるこぶが突然破れることによって出血する症状のことです。
脳は3枚の膜で包まれており、「くも膜」の下で起きる出血であることからくも膜下出血と呼ばれます。
何の兆候もなく発作が起こることが多く、50~70代の方に多い病気です。
発症すると亡くなってしまったり、後遺症を抱えることになったりすることが多く見られます。
くも膜下出血の症状
くも膜下出血の代表的な症状をご紹介します。
【症状】
- 激しい頭痛
- 意識障害
- 嘔吐
発作の際に感じられる代表的な症状は上記の3つです。
頭痛は頭を殴られたような激しい痛みであることが多いでしょう。
そして意識がもうろうとしたり、意識を失ったりなどの意識障害もよく見られます。
これらの症状が同時に現れた場合は、くも膜下出血の可能性があるため、早急に医療機関を受診する必要があります。
関連記事:くも膜下出血には前兆がある?早め処置が予後に大きく影響!原因や症状、治療法を解説
くも膜下出血の原因
くも膜下出血の直接的な原因は、ほとんどの場合で脳動脈瘤の破裂です。
脳の血管にできたこぶ状のものがある日突然破裂し、くも膜の下で出血することによって引き起こされます。
しかし脳動静脈奇形やモヤモヤ病によって引き起こされることもあると言われます。
原因の大半を占めるとされる脳動脈瘤は、高血圧や喫煙、遺伝などにより生じるものです。
したがって生活習慣病から脳動脈瘤が形成され、脳動脈瘤が破裂することによりくも膜下出血が起こると言えます。
くも膜下出血の後遺症

くも膜下出血を発症して命を取り留めた後には、後遺症が残ることが多いとされています。多く見られる後遺症は次の4つです。
関連記事:くも膜下出血で見られる後遺症と合併症とは?治療のための基礎知識
1.半身麻痺
傷害を受けた脳が司っている部分の機能が失われ、身体の片方にマヒが残る後遺症です。
右側の脳に傷害を受けた場合は左半身が、左側の脳に傷害を受けた場合は右半身にマヒが生じるとされています。
マヒやしびれにより、手足の動きが制限されたり、感覚が鈍くなったりする症状が現れることがあります。
関連記事:くも膜下出血後の生活において気をつけたい9つのポイントについて
2.認知機能障害
脳の認知機能を司る部分が傷害を受けた場合、認知機能障害が引き起こされることがあります。
記憶力や集中力、認知機能が低下し、計画をうまく遂行できなくなったり、体験したできごとを忘れてしまったりする症状です。
聞いたはずの話を忘れていたり、約束の時間に間に合わなくなったりなど、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。
症状は認知症と類似している場合もあります。
関連記事:認知症で見られる8つの周辺症状の特徴と対応するためのポイント
3.言語障害
後遺症として言語障害が残る人も少なくありません。
言語障害とは言葉が出にくくなったり、会話を理解しにくくなったり、文字の読み書きが難しくなったりする症状のことです。
脳の中でも言語に関連する領域は、次のように多く存在します。
【言語領域】
- ブローカ領野
- 中心前回
- 中心後回
- 縁上回
- 角回
- ウェルニッケ領野
上記のいずれかの部分が損傷されると、損傷された部分が司る機能に応じた障害が見られるようになります。
くも膜下出血を経験すると、軽症でも会話のしにくさが生じることがあります。
4.うつ状態
精神面での後遺症として、抑うつ状態になる方も見られます。
気分障害としてよく見られる後遺症であり、その場に応じた行動を取りにくくなったり、日常生活に支障をきたしたりする症状です。
また意欲の低下により、発作後に人が変わったように無気力で沈んだ様子が見られることもあります。
くも膜下出血によりうつ状態が引き起こされる原因は、明確ではありませんが2つの説が有力です。
脳の特定の場所が傷害されてうつ状態になるのがひとつめの説。
もう一つの説は、脳に損傷が加わることでストレスへの耐性が低下し、徐々にうつ状態へと移行しやすくなるというものです。
原因がいずれであったとしても、くも膜下出血後にうつ状態になってしまう方は少なくありません。
くも膜下出血の後遺症の再生医療とは

くも膜下出血後の後遺症に対する再生医療では、「幹細胞治療」の有効性が期待されています。
幹細胞治療とは患者様ご本人から細胞を採取し、幹細胞を培養して増やした後、点滴にて移植する治療法のことです。
くも膜下出血では脳動脈瘤が破裂した影響により、脳神経に損傷が及ぶことが多くあります。
その結果、後遺症が生じます。
治療にはリハビリ療法や薬物療法が採用されることがほとんどです。
発作後からリハビリテーションを開始し、身体的に安定したら内服薬や血圧管理によって体調を整えていく治療がメインとなります。
その選択肢の一つとして、再生医療が検討されています。
関連記事:再生医療の効果とは?4つの治療方法の特徴と副作用・デメリット
再生医療で期待できる効果
くも膜下出血後の後遺症に対する再生医療で期待できる効果は、脳神経と脳細胞の再生をサポートする作用です。
再生医療による治療を受けると、身体が持つ自然な治癒力が高まり、神経や細胞が再生されやすくなるとされています。
失われた組織の再生が促進される可能性があります。
再生医療のメリット
それでは再生医療のメリットについて見ていきましょう。
【メリット】
- 副作用が少なく安全性が高い
- 従来の治療とは違う角度からアプローチできる
- 入院の必要がなく短時間で治療が終わる
免疫拒絶反応のリスクが低く、安全性が高いことが第一のメリットです。
自然治癒力向上を促すという従来の治療とは違うアプローチであり、人によっては高い効果が現れる可能性もあります。
さらに、入院の必要がなく、1時間程度で治療が完了する点も利点といえます。
関連記事:脳卒中の後遺症で再生医療が適応される4つのケースとリスクについて
再生医療を受ける際に注意するポイント

これからくも膜下出血後の再生医療を検討している方は、治療を受ける前に注意すべきポイントについて知っておくことが大切です。
治療期間や適応範囲など、治療に関する基本的な知識を身に着けてから治療に臨みましょう。
再生医療による治療期間
再生医療の治療期間は症状により異なりますが、一般的に長期間を要します。
当院は予め培養した上清液を投与しているため、治療はすぐに開始できます。
治療期間は疾患によって異なります。
例えばALSだと進行性なので、治療期間は長期的です。
脳疾患でも症状により、短期的な方もいれば長期的に治療をする場合もあります。
再生医療の適応範囲
リスクを考慮したうえで再生医療を受けるなら、適応範囲にも注意しましょう。
適応範囲は広いものの、すべての疾患や外傷に対して効果が期待できるわけではありません。
安全かつ効果的に治療を行うために、以下のようなケースでは適応負荷になることもあります。
【再生医療が適応外、または慎重に判断されるケース】
- 感染症やその他の病気によって、全身状態のコントロールが困難な場合
- 他の治療法やリハビリがまだ十分に行われていない場合
- 再生医療の目的と患者さんの希望が一致していない場合
たとえば、再生医療はあくまで「従来の治療に加える補完的な治療」であるため、急性期の治療や標準的なリハビリを経ていない場合には、まずそちらを優先すべきとされます。
また、持病の悪化や感染症などで体調が不安定な時期には、安全のため治療を延期したり、再評価が必要になることもあります。
さらに、治療の目的(機能回復、痛みの軽減など)と患者さん自身の期待(完全な治癒など)にギャップがある場合には、誤解を避けるために十分な説明と同意が必要です。
再生医療をご検討の際は、まずは医師とじっくり相談し、「今の自分にとってこの治療が本当に合っているのか?」を一緒に確認することが大切です。
再生医療の治療費
再生医療を受けるには、高額な治療費がかかることも注意点のひとつです。
特に細胞を用いた治療では、初回の治療だけで200万円を超えるケースもあり、継続的な治療を行う場合には総額500〜1000万円程度かかることもあります。
また、多くの再生医療は自由診療の扱いとなるため、健康保険が適用されません。そのため、費用負担は全額自己負担となることも理解しておくことが大切です。
ひとのわメディカルでは、手術などの高コストな処置を伴わない再生医療を提供しており、自費診療でありながらも50万円前後から開始できる治療プランをご用意しています。
コストを抑えつつ、患者さまにとって負担の少ない治療を目指しています。
医療機関の選定
再生医療を受けようと決めたら、まずは信頼できる医療機関を慎重に選定することが大切です。
前述のとおり、細胞の培養環境や取り扱い方法によっては、感染症などのリスクが高まる可能性があります。
そのため、次のような点を確認することをおすすめします。
【医療機関選定時のチェックポイント】
- 無菌環境で細胞や培養液を管理しているか
- 衛生管理や品質管理が徹底されているか
- 再生医療に関する治療実績・経験が豊富か
- 治療前に十分な説明・カウンセリングが行われるか
最近では「再生医療」とうたっていても、実際には治療実績がほとんどない施設もあるため、注意が必要です。
医師の経験や症例数、安全性への取り組みについても、事前に確認しておくと安心です。
たとえば、ひとのわメディカルのように、再生医療の臨床経験が豊富で、感染対策・品質管理が徹底された医療機関を選ぶことで、より安全かつ安心して治療に取り組むことができます。
不明な点は必ず医師に相談し、十分な納得と説明を受けたうえで治療を選択しましょう。
くも膜下出血後の後遺症には再生医療も選択肢のひとつ

いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、くも膜下出血後の再生医療についてご理解いただけたと思います。
くも膜下出血後は後遺症が残ることが多く、再生医療は症状を低減させるための選択肢のひとつとなるでしょう。
ひとのわメディカルでは、くも膜下出血の後遺症やALS、神経難病に対する再生医療をご提供しております。神経機能の維持や認知機能の改善を目指し、より良い日常生活を支援することを目的としています。現在もその安全性や有効性について継続的に検証を行っておりますので、ご関心のある方はお気軽にご相談ください。