
医療機関では、認知症の判定基準に「長谷川式認知症スケール」が用いられることがあります。
認知症の進行を遅らせるためにも、初期段階における早期発見が大切。
そのため、手間をかけずに実施可能な長谷川式認知症スケールが診断基準の1つとして採用されることも多いようです。
本記事では、長谷川式認知スケールについて詳しく解説します。
また、国際的な認知症テストであるMMSEとの違いについてもお伝えします。
目次
長谷川式認知症スケールとは
長谷川式認知症スケールとは、認知症の疑いのある人に9つの質問をして、認知機能障害の有無を判定する方法です。
高齢者がベッドに横になった状態で検査を受けられるため、高齢者への負担を減らせるメリットがあります。
ここでは、長谷川式認知症スケールの質問内容や、判定基準について解説します。
長谷川式認知症スケールのテスト内容
長谷川式認知症スケールのテストは、次の質問内容に準じて実施されます。(注1)
問題 | 点数 |
|---|---|
1.年齢はいくつですか? | 1点 |
2.今日は何年何月何日何曜日ですか? | 年月日、曜日でそれぞれ1点 |
3.私たちが今いる場所はどこですか? | 自発的に出れば2点 |
4.桜・猫・電車という言葉を言ってみてください。後で聞くので、覚えておいてください。 | それぞれ1点 |
5.100引く7はいくつですか?そこからさらに7を引いてみてください。 | 2回正解で2点1回正解で1点 |
6.これから言う数字を逆から言ってみてください。 | 2回正解で2点1回正解で1点 |
7.先程伝えた言葉をもう一度教えて下さい。 | 自発的に出れば2点ヒントで出れば1点 |
8.これから5つの品物を見せるので、隠したあとに何があったか教えて下さい。 | 正解した品物分の点数(5つ正解で5点など) |
9.知っている野菜の名前をできるだけ教えて下さい。 | 10個で5点9個で4点8個で3点7個で2点6個で1点 |
各質問の回答結果に応じて、点数が付けられるようになっており、質問後の合計点で認知機能の状態を判定します。
上記の質問を認知症患者に実施すると良く、5~10分程度でテストが行える手軽さも特徴です。
長谷川式認知症スケールで評価できない認知機能
長谷川式認知症スケールは、記憶力(とくに言葉による記憶)の評価に優れています。
一方で、脳の前頭葉が担う「物事を順序立てて実行する能力」や「空間を正しく認識する能力」の評価には向いていません。
そのため、長谷川式の点数が高くても、特定の症状を見逃してしまう可能性があります。
たとえば、料理の手順が分からなくなったり、よく知る道で迷ったりする症状は、このテストだけでは正確に測れません。
多様な認知機能の低下を正しく把握するには、ほかの検査や医師の総合的な判断が必要です。
長谷川式認知症スケールの20点以下で認知症疑い
長谷川式認知症スケールは30点で満点であり、その内20点以下である場合に、認知症の疑いがあるとされています。
また、すでに認知症と診断されている場合は、次のような重症度を判定する目安も存在します。
重症度 | 点数 |
|---|---|
軽度 | 20~30点 |
中等度 | 11~19点 |
高度 | 0~10点 |
実際に医師が認知症を診察する場合は、長谷川式認知症スケールの結果のみで認知症だと診断するわけではありません。
テスト以外にも画像検査なども行われ、テストと画像検査の結果から、医師が総合的に判断して認知症の診断が下されるのです。
点数が低くても認知症とは限らない理由
長谷川式のテスト結果が20点以下であっても、すぐに認知症だと確定するわけではありません。
点数の低下には、加齢による自然な物忘れや、一時的な体調不良が影響するケースも多くあります。
耳が遠くて質問を聞き取れなかった場合や、高齢者特有のうつ症状によって回答する意欲が低下している場合も、点数は低く出ます。
そのため、結果の数値だけで判断せず、医療機関で脳の画像検査などを受け、別の要因が隠れていないかを医師に確認してもらうことが大切です。
長谷川式認知症スケールの受け方と注意点
長谷川式認知症スケールを家族間で安易に行わないように注意しましょう。
なぜなら、長谷川式認知症スケールは、テストを受ける人の体調にも左右されるため、家族間で行っても正確な評価が下せないことも多いからです。
さらに、テストで安易に身内を認知症だと決めつけてしまうと、家族間の人間関係を壊す原因やトラブルの元となります。
家族の認知機能の低下に関して気になることがあれば、専門院が実施する「物忘れ外来」を受診するようにしましょう。
「物忘れ外来」について詳しく知りたい場合は、次の記事を参考にしてください。
検査実施時の準備と環境
正確な評価を行うには、検査を受ける方が落ち着いて回答できる環境作りが欠かせません。
周囲にテレビの音や話し声があると気が散ってしまうため、静かでリラックスできる個室などを選びましょう。
耳が聞こえにくい方には、ゆっくり声で質問を繰り返す配慮が求められます。
テストだからといって無理強いすると、不安や怒りを招き、かえって正しい結果が得られません。
体調が優れない日や機嫌が悪い時は無理に実施せず、本人の状態が安定しているタイミングを見計らって行うのが適切です。
長谷川式の検査費用と介護認定との関係
長谷川式認知症スケールを受ける際、費用や制度の仕組みが気になる方も多いでしょう。
ここでは2つのポイントに絞り、具体的な費用や介護保険制度とのつながりをお伝えします。
- 健康保険での算定と自己負担の目安
- 介護保険申請におけるHDS-Rの位置づけ
それぞれの詳細を確認し、今後の備えに役立ててください。
健康保険での算定と自己負担の目安
医療機関で長谷川式認知症スケールを受けた場合、健康保険が適用されるため、全額を自己負担する必要はありません。
診療報酬制度では簡易的な検査として定められており、基本となる検査費用自体は800円(80点)です。
ここから保険の負担割合(1〜3割)に応じた金額(80円〜240円程度)を支払います。
ただし、初診料や再診料、同時に行われる血液検査や脳の画像検査などの費用が加わるため、実際の支払額は前後します。
詳しい自己負担額が知りたい場合は、受診予定の医療機関へ事前に問い合わせておくと安心です。
介護保険申請におけるHDS-Rの位置づけ
長谷川式認知症スケールの結果は、介護保険の認定申請において、主治医意見書を作成する際の1つの目安として活用されます。
テストの点数自体がそのまま要介護度を決定するわけではありません。
しかし、医師が「認知症高齢者の日常生活自立度」を客観的に評価する際の重要な判断材料となります。
点数をもとに記憶力や見当識の低下具合を把握し、それが日常生活にどの程度支障をきたしているかが審査会へ報告されます。
適切な介護サービスを受けるためにも、医療機関での正確な検査は欠かせません。
長谷川式認知症スケールとMMSEの違い
長谷川式認知症スケールと並んで、認知症の判定テストに使われる評価法に「MMSE」があります。
ここでは、MMSEの解説と長谷川式認知症スケールとの比較についてお伝えします。
MMSEとは
MMSEとは、認知症が疑われるときに行われる神経心理検査です。
国際的に用いられる検査法で、10~15分ほどの時間をかけて検査が実施されます。
検査内容は11項目で構成され、1問につき10秒間の時間制限が設けられています。
30点満点中、23点以下の場合に「認知症の疑い」24~27点で「軽度認知障害の疑い」が判断の目安です。
長谷川式認知症スケールとMMSEの比較
長谷川式認知症スケール(HDS-R) とMMSEの比較は、次の表のとおりです。
比較内容 | HDS-R | MMSE |
|---|---|---|
発祥 | 日本 | アメリカ |
検査時間 | 5~10分 | 10~15分 |
満点 | 30点 | 30点 |
認知症の疑い基準 | 20点以下 | 23点以下 |
軽度認知障害の疑い基準 | なし | 24~27点 |
項目数 | 9個 | 11個 |
回答方法 | 口頭のみ | 口頭・記述・描画 |
評価対象となる能力 | 見当識・記憶・計算・言語能力 | 見当識・記憶・計算・言語能力・図形能力 |
検査時間や回答方法から考えると、長谷川式認知症スケールの方が手間をかけずに実施できると考えられます。
長谷川式簡易知能評価スケールは、MMSEよりも記憶力に重点が置かれている点が特徴になります。
また、長谷川式やMMSEで点数が悪いから認知症であると断定もできません。そのため、認知症が疑わる場合は、専門医による物忘れ外来を受診しましょう。
その他の認知症テストとの違い
MMSEのほかにも、目的に合わせてさまざまな認知症テストが活用されています。
たとえば「MoCA-J」は、長谷川式では測りにくい注意力や遂行機能を評価でき、軽度認知障害(MCI)の早期発見に優れています。
また「時計描画テスト(CDT)」は、文字盤と針を描いてもらうことで、空間認識能力を簡単に確認できるのが特徴です。
いずれのテストも得意とする評価分野が異なるため、医療機関では患者の症状や状態に合わせて、複数のテストを組み合わせて診断が行われます。
長谷川式で点数が低かった方への対応と治療の選択肢
長谷川式のテストで認知機能の低下が疑われた場合、ご家族は不安を感じるでしょう。
しかし、現在は既存の治療だけでなく、新たなアプローチによって症状の改善を目指せるようになっています。
ここでは、ひとのわメディカルが提供する以下の3つの選択肢を解説します。
- 歯髄幹細胞培養上清液とは
- 「再生医療×先進リハビリ」による新たな機能回復のアプローチ
- ひとのわメディカルの再生医療が選ばれる理由
それぞれの特徴を理解し、今後の治療を検討する際の判断材料にしてください。
歯髄幹細胞培養上清液とは
ひとのわメディカルでは、再生医療の中でも「乳歯由来の歯髄幹細胞培養上清液」を使用した治療に特化しています。
これは、日本人の乳歯から採取した幹細胞を培養する際に分泌される、有効成分が溶け込んだ上澄み液のことです。
幹細胞そのものを移植するわけではないため、身体への負担や拒絶反応のリスクを抑えられます。
乳歯由来の歯髄幹細胞培養上清液には、傷ついた神経細胞を修復し、細胞の働きを活性化させる成長因子やサイトカインなどの成分が豊富に含まれており、認知症や脳卒中後遺症の改善において効果が期待できます。
「再生医療×先進リハビリ」による新たな機能回復のアプローチ
失われた認知機能や身体機能を取り戻すには、上清液の投与単独ではなく、リハビリテーションとのかけ合わせが推奨されています。
ひとのわメディカルでは、歯髄幹細胞培養上清液によって脳や神経の修復を促したうえで、先進的な機器を活用した専門的なリハビリを実施しています。
たとえば、VRリハビリ「mediVRカグラ」や、装着して動作を補助する「ロボットリハビリ(HAL®)」などを取り入れているのが特徴です。
細胞レベルでの回復と、最先端の技術を用いた身体への刺激を融合させることで、より高い相乗効果が期待できます。
ひとのわメディカルの再生医療が選ばれる理由
ひとのわメディカルが多くの患者様に選ばれる背景には、これまでに5,000件以上の治療実績に基づく専門性があります。
自由診療専門クリニックであるため、保険診療の枠組みや回数制限にとらわれず、一人ひとりの症状に合わせた治療プランを提供できるのが強みです。
完全予約制を採用しており、医師やリハビリ専門医が時間をかけてじっくりと向き合い、経過や今後の見通しを丁寧にご家族へ説明します。
諦めかけていた機能回復の可能性を広げるため、不安なことはいつでも相談できる環境を整えています。
まとめ:長谷川式スコアの向上と認知機能の改善を目指すならひとのわメディカルへ
長谷川式認知症スケールの結果で認知機能の低下が疑われた場合でも、すぐに悲観する必要はありません。
近年では、薬物療法だけでなく、再生医療やリハビリテーションを組み合わせた新たな治療アプローチも注目されています。
ひとのわメディカルでは、アルツハイマー型認知症をはじめ、認知機能低下に対する再生医療を提供しています。
歯髄幹細胞培養上清液を活用し、神経細胞へアプローチすることで、認知機能の改善や、長谷川式スコアの維持・向上を目指した治療を行っています。
また、患者様一人ひとりの状態に合わせて、医師や専門スタッフが治療計画を提案し、継続的なサポートを行っている点も特徴です。
「最近もの忘れが増えた」「長谷川式の結果が気になる」「今後の進行をできるだけ抑えたい」とお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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