
物忘れの症状が、加齢による物忘れなのか認知症による記憶障害なのかを迷う方も多いのではないでしょうか。認知症の症状を確かめるためには、物忘れ外来を受診することをおすすめします。
しかし、物忘れ外来の受診経験がない場合、「今の症状で、本当に物忘れ外来にまで行く必要がある?」「行ったことが無いから行きづらい」と感じて受診を躊躇う場面も考えられます。
本記事では、加齢による物忘れと認知症による記憶障害の違いを解説。物忘れ外来の検査方法や費用についてもお伝えします。
物忘れ外来の受診に迷っている方は、参考にしてください。
物忘れ外来とは

物忘れ外来とは、「認知症」と「加齢による物忘れ」を区別して、認知症を早期に発見し、必要な治療を施すための外来です。
認知症と物忘れの違いは、次のとおりです。
| 加齢による物忘れ | 認知症による記憶障害 |
|---|---|---|
判断や計算 | 可能 | 不可能 |
記憶力 | 食事の内容を忘れる | 食事をしたこと自体を忘れる |
見当識 | 名前を聞くと誰なのかを思い出す | 身近な人の名前を聞いても思い出せない |
加齢による物忘れと、認知症の症状には上記のような大まかな違いがありますが、専門家の検査を受けて判断するようにしましょう。
加齢による物忘れと認知症の違い
人は年を重ねると、誰でも少しずつ記憶力が低下していくものです。
しかし、加齢による自然な変化と認知症には違いがあります。
たとえば、昨日の夕食のメニューを思い出せないのは、単なる加齢による物忘れです。
一方で、夕食を食べたこと自体をすっかり忘れてしまう場合は、認知症の疑いがあります。
加齢が原因であれば、ヒントを与えられると思い出すことがほとんどです。
認知症の場合は記憶そのものが抜け落ちているため、ヒントを出しても思い出せません。
日常生活への影響の大きさが判断の基準となります。
受診の目安となるサインとは
医療機関へ行くべきタイミングは、日常生活に支障が出始めたときです。
同じことを何度も繰り返し尋ねるようになった場合は、早めに専門医へ相談しましょう。
今まで問題なくできていた料理や買いものの手順が分からなくなることも、注意すべきサインの1つです。
日付や曜日が分からなくなったり、いつも歩き慣れている道で迷ったりする症状も目安となります。
周囲の人が違和感を覚えるほどの変化は、症状が進行している可能性があります。
少しでも不安を感じた段階で、迷わず物忘れ外来を予約しましょう。
認知症の診断方法
認知症は、物忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行するため、専門家の診断を受けないと加齢による物忘れと認知症による症状を見分けるのは困難です。
65歳以上の5人に1人は認知症だと言われているため、認知症には誰がなってもおかしくはありません。「最近、物忘れがひどくなったな」とご本人やご家族が感じたら、認知症外来を受けてみてはいかがでしょうか。
認知症外来では、次のような検査が行われます。
- 問診
- 神経心理学検査
- 脳画像検査
- 血液検査
- レントゲン検査
画像検査や血液検査による客観的なデータから、認知症の診断が下されます。
自己判断のもとに、家族が認知症だと決めつけると、家族間のトラブルや人間関係の破綻を招きかねません。
認知症の判断は、必ず医師の診断を仰ぐようにしましょう。
認知機能テストの内容と30点満点の見方
物忘れ外来では、現在の記憶力や判断力を客観的に評価するための認知機能テストを行います。
代表的なものに長谷川式認知症スケールがあり、医師からの簡単な質問に口頭で答える形式です。
テストは全体で30点満点で採点され、自分の年齢や今日の日付、簡単な計算などの項目が含まれます。
一般的に20点以下となった場合は、認知症の疑いがあると判断されることが多いです。
ただし、点数だけで病気を確定させるわけではありません。
当日の体調なども影響するため、ほかの検査結果とあわせて総合的に診断されます。
画像検査・血液検査の役割
認知機能テストと並行して、脳の状態を直接確認する画像検査や血液検査が実施されます。
CTやMRIを用いた画像検査では、脳の萎縮具合や過去の脳梗塞の痕跡などがないかを詳しく調べます。
これにより、アルツハイマー型認知症や血管性認知症などの種類を見分けることが可能です。
血液検査は、全身の健康状態を把握するために欠かせません。
甲状腺機能の低下や特定のビタミン不足など、脳以外に物忘れを引き起こす原因が隠れていないかを確認します。
複数の検査を組み合わせることで、より正確な診断へとつながります。
認知症の治療法
現在のところ、認知症に対する根本的な治療法は存在しません。そのため、認知症治療の目的は症状の進行を遅らせることです。
ここでは、薬とリハビリに関する治療について解説します。
薬による治療
薬物療法の場合、抗認知症薬と向精神薬が使われます。アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の疾患別、あるいは症状の重症度に応じて処方される抗認知症薬が異なるのです。
また向精神薬は、行動・心理症状(周辺症状)が激しいときに利用されます。たとえば、認知症患者が暴れる際や、意欲が低下して食事を摂らない場合など、行動や心理面で日常生活に問題がある場合に処方されます。
リハビリによる治療
リハビリには、身体を動かすような運動から、手先を使う作業療法、書き取りや計算などを行う脳トレなどさまざまな取り組みがあります。
症状や好みに合わせて、認知症患者が楽しめるリハビリを選択することが重要です。
物忘れ外来にかかる費用
物忘れ外来の検査費用は次に示す表のとおりです。
検査項目 | 10割負担 |
|---|---|
認知機能テスト(神経心理学的検査) | 700円~2,800円 |
CT検査 | 1万5,000円~2万円 |
APOE遺伝子検査 | 1万5,000円~2万5,000円 |
MCIスクリーニング検査 | 1万5,000円~2万5,000円 |
MRI検査 | 1万5,000円~3万円 |
SPECT検査 | 8万円~10万円 |
合計 | 14万円~20万円 |
上記は10割負担での検査費用であるため、3割の保険適用で4~7万円、1割負担で1万円~2万円が物忘れ外来の検査費用の相場です。
認知症の検査費用の他にも、治療費や介護費用もかかります。認知症は完治が難しいため治療が長期間継続することを考えると、経済的な負担が大きいと考えられます。
費用を抑えるための保険適用と注意点
物忘れ外来での基本的な問診や画像検査は、多くの場合で健康保険が適用されます。
そのため、自己負担割合が1割から3割に抑えられ、経済的な負担を軽減できます。
ただし、一部の検査や特殊な診断方法については、保険適用外の自由診療となるため注意してください。
たとえば、将来の認知症リスクを調べるMCIスクリーニング検査などは、全額自己負担となります。
事前に医療機関のホームページを確認するか、予約時に電話で直接尋ねると安心です。
想定外の出費を防ぐためにも、受診前に費用の目安を把握しておきましょう。
物忘れ外来に行かないとどうなるか
物忘れの症状があっても「まだ大丈夫だろう」と受診を先延ばしにしている方は少なくありません。
しかし、認知症の一歩手前である「軽度認知障害(MCI)」のうちに早めに対応すれば、本格的な発症を防いだり進行を遅らせたりできる場合があります。
受診を後回しにした場合に何が起こりうるのか、また早めに動くことでどのような変化が期待できるのかを見ていきましょう。
「物忘れ外来は意味ない」といわれる理由と早期受診のメリット
現在の医療では認知症を治すことは難しいため、「病院に行っても意味がない」と感じる方もいます。
実際に一般的な薬やリハビリは、症状の進行を遅らせる対症療法が中心です。
しかし、早期に受診することで、原因に応じた対応を早く始められ、進行を緩やかにできる可能性があります。
専門医から適切な介護のアドバイスを受けることで、ご家族の精神的な負担を減らせるでしょう。
別の病気が原因であった場合は、治療によって回復が見込めます。
今後の生活環境を整えるためにも、早めの受診をおすすめします。
新たな選択肢として注目される「再生医療」
従来の薬やリハビリだけでは、失われた認知機能を元に戻すことは困難でした。
そこで近年、後遺症に悩む方への新しい希望として再生医療が注目を集めています。
具体的なアプローチとして、以下2つを紹介します。
- 再生医療の効果を高める先進リハビリとの組み合わせ
- ひとのわメディカルのアルツハイマー型認知症治療
諦めかけていた症状の回復を目指すための、次世代の複合的な治療法を確認しましょう。
再生医療の効果を高める先進リハビリとの組み合わせ
再生医療単独でもダメージを受けた神経細胞の修復は期待できますが、投与された成分が体内に定着するタイミングで、専門的な先進リハビリを行うことで、さらなる機能回復が期待できます。
たとえば、先進的な機器やロボットなどを活用することで、脳への刺激を引き出せます。
身体を動かす感覚を脳に再学習させることで、相乗効果が生まれ、回復を後押しする効果が期待できるでしょう。
このように、再生医療と先進リハビリをセットで行う複合治療が、後遺症を乗り越えるための有効な選択肢の1つとして選ばれています。
ひとのわメディカルのアルツハイマー型認知症治療

物忘れ外来で、専門医によるアルツハイマー型認知症の診断を受けた場合は、ひとのわメディカルのサイトカイン治療で症状の改善を目指すのもおすすめです。
歯髄幹細胞培養上清液に含まれる生理活性物質のサイトカインを点鼻にて体内に取り込むことで、認知症でダメージを受けた脳神経細胞の回復が期待できます。
「Nose-to-Brain」といわれる鼻からの投与物質が脳へと到達する経路が存在しており、点鼻されたサイトカインが直接、脳細胞に作用できるのです。
脳卒中(脳梗塞・脳出血)後遺症の再生医療についてはこちら
再生医療(歯髄幹細胞培養上清液)についてはこちら
まとめ:物忘れ外来が気になったら
加齢による自然な変化と認知症による記憶障害は、自己判断で区別することが困難です。
症状が進行してからでは対応が遅れるため、少しでも違和感を覚えたら物忘れ外来を受診してください。
現在の治療方針に限界を感じている場合は、再生医療と先進リハビリの組み合わせを検討するのも1つの方法です。
ひとのわメディカルでは、乳歯由来の歯髄幹細胞培養上清液を用いた治療と、VRリハビリ「mediVRカグラ」やHAL®などの先進リハビリを組み合わせた複合的なサポートを提供しています。
もう回復は難しいと諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。